推拿マッサージ・整体講座 女性の踵痛
2012年3月1日
三翠推拿整体スクール主任講師による推拿マッサージ・整体講座です。
講師が実際に施術した方についての考察を紹介していきます。
今回は踵(かかと)の痛みについての解説です。
それでは今日は、ボードにありますように、42歳の女性で、左足の踵に痛みを訴えて来られた方の例をご紹介しましょう。
この方、特に左足に外傷があるわけではありません。結論から先に言いますと、神経性の痛みと思われる痛みを訴えていらしたので、そのあたりを中心に弁証していきました。
実は踵というところは、踵の裏、やや柔らかいところがありますけれども、あれは脂肪体です。脂肪です。その下を静脈が通っているんですけれども、実は歩くという行為によって、その脂肪が押される・・・まぁこれによって、クッションの役割を果たしながら、そのポンプ運動が静脈の血液の流れというものを促進する。そんな、関わりがあるところなんですね。
つまり、この足の裏の脂肪がある程度柔軟にポンプ運動をしてくれることによって、静脈のまたポンプ運動に繋がって、血液を心臓へと運ぶ・・・そういう大事な役割をしているところなんです。
で、どうもその方はそこに原因があるようだ。実はこの方、伸長160センチほどなんですけれども、体重が実は100キロ近い方なんですね。じゃあ、体重が重めの方がこういった症状を訴えるかというと、そういう事ばかりではもちろんありません。
ただこの方、保険外交のお仕事をなさっていて、ハイヒールを履いて踵にかなりの荷重がかかる。で、その後転職をなさったんですけれども、旅館の仲居さんで実は下駄を履かなきゃいけない。いうことから、やはり踵にかなりの負担がかかる。右にも同じような症状が多少見受けられるんですけれども、やはり左の方がひどい・・・ということから、左の踵の脂肪部分、クッションの部分に着目をして、ここに原因があろうという事から推拿を始めました。
で、もちろんその体重というものを正直なんとかしなきゃ、根本的な改善にはなりません。
で、ご本人にも、そのことを強くアドバイスをしまして、体重を減らす作業、これを日々やってもらっているところなんですけれども、同時に旅館のお仕事でも、踵の柔らかいクッションのある靴を履くことを許可していただいて、そして1週間に1度という形で推拿をしているところです。
で、痛みが出る瞬間というものが、かなり時間的に限られてきました。仕事も難なくこなす、夜も痛みで目が覚める事がなくなってきたところなんですけれども、
やはりどうしても荷重がかかることには変わりは無いので、やはりそういったご本人の意思というものも強く持っていただいて、改善していかなきゃいけないというようなかたちで時間がかかるだろうという事で、根気よくやるぞという話をしながら、現在やっている方の症例です。
踵という部位なんですけれども、そういった大事な役割を持っている部位でもあります。
弁証の際に、神経系・筋肉系だけというかたちでいきますと、見落としてしまう可能性もありますので、そのあたりも幅広く弁証するようにしていきたいという風に、心がけてもらいたいと思います。